vol.4 -WE ARE THE FARM-
年間200種類の固定種野菜を無農薬・無化学肥料で育てる自社農場「在来農場」を核とした、野菜特化型レストラン「WE ARE THE FARM」。都内6店はいずれも予約客で連日満席の繁盛ぶりです。代表の古森啓介さんに、野菜の付加価値を高めるストーリーづくりと独自のメニュー哲学を伺いました。

- 取材協力店:WE ARE THE FARM
- 渋谷、恵比寿、赤坂、豊洲など都内に6店を展開する野菜特化型レストラン。渋谷店は20〜30代の女性、豊洲店は子連れファミリーなど、幅広い層から支持が厚い。渋谷店のディナー客単価は6500円。ボリュームのあるバーニャカウダや、60種類の生薬を配合した火鍋のコースをメニューの柱にしている。

- 代表:古森啓介さん
- 1987年大阪府東大阪市生まれ。立命館大学在学中に外食業の面白さに目覚める。大学中退後、古森さんは和食、高校の同級生で現・農場長の寺尾拓也さんは農業の道へ。2013年6月に千葉県佐倉市に在来農場を開設し、2014年6月に「WE ARE THE FARM」代々木上原店をオープン。農業と外食を結ぶ事業をスタートした。
メニュー開発の8割が畑で決まる
自社農園の野菜で差別化を図る外食店が増える中、「WE ARE THE FARM」の徹底ぶりは群を抜いています。自給率100%を誇る事業の核が、千葉県佐倉市の自社農場「在来農場」です。
東京ドーム3個分(15ヘクタール)の農場で育てる野菜は年間200種類。そのすべてを、無農薬・無化学肥料の露地栽培による「固定種」で統一しているのが特徴です。
代表の古森さんは「固定種は手間がかかり形も不揃いなため衰退しつつありますが、本来の旨みや風味は格段に秀でています。これらを復活させ、『ヘルシーだから』ではなく『おいしいから野菜を食べる』という食文化を創りたいのです」と、その熱い思いを語ってくれました。
シンプルな調理でも
個性的なメニュー揃い
「固定種の栽培が難しいからこそ、メニュー開発は畑で8割が決まります。種を植えた段階で、どんな料理にするかほぼイメージできています」と古森さん。
素材の個性を生かすため調理はシンプルですが、サラダやグリル、フライなど、独自性の高い野菜料理が揃います。
たとえば、冬から春先のメニューに並ぶ菊芋料理。クセがなく生でも食べられるため、皮ごとスライスして和風ドレッシングで提供するほか、グリルや素揚げを合わせた食べ比べメニューも用意しています。
NYシーザードレッシングと季節替わりの自家製ドレッシングの2種を揃える「ケールサラダ」は、名物メニューのひとつです。
「ケールは苦いイメージが強いですが、うちのサラダに苦味はありません。農薬や化学肥料に頼らず育てるとえぐみが消え、本来の旨みを引き出せるのです」と古森さん。
お客さまがこうした野菜の新しい食べ方、味わい方を発見できることも、「WE ARE THE FARM」ならではの商品価値といえるでしょう。
食材ストーリーを核にした
メニュー開発
固定種の野菜のよさを引き出し、商品価値を高めるため、古森さんは「野菜それぞれの背景を伝えること」を心がけていると言います。
「野菜には一つひとつの品種にストーリーがあります。わかりやすいのが旬。春の野菜、夏の野菜という季節感はもちろんですが、野菜の中には食べ頃が数週間しかない品種もあり、それも工夫次第で希少性という価値に変えることができます」
その象徴が、日本最古のカリフラワー「野崎早生」のグリルです。この品種は2週間で開花し売れなくなるため市場にほぼ流通しません。可食期間が短いという欠点を、「今しか食べられない価値」に転換しメニュー化しました。
柔らかいつぼみをシンプルなグリルに仕上げ、提供時に旬の短さを案内。さらに野崎早生で作ったソースを合わせることで、その食材特性をより印象付けています。
手間をかける、かけないの
使い分けが大事
食材の個性を活かしたシンプルな調理はオペレーションの効率化という点でも優位に働きます。

前述した菊芋のスライスは皮を剥かず、スライサーにかけるだけとごくシンプル。合わせているのはキユーピーの”和風ドレッシングデリシャス”で、仕込みの手間もかかりません。「自家製ドレッシングもいろいろ試しましたが、一番相性が良かったので使っています」と古森さん。
逆に「ズッキーニのリゾット」は手間をかけている一品です。米は使わず、水分量が多い品種「ホワイトスキャロップ」の特性を活かし、水を一切加えずじっくり炒め煮にし、リゾット仕立てにしています。
こうして、手間をかける料理とかけない料理のメリハリをつけています。
「一物全体食」の考えに基づいて
皮や根も食べきる
自給率100%のため食材費高騰の直接的な影響はないものの、「コストアップは実感している」と古森さん。
肥料や資材、ガソリン代の値上がりにコロナ禍が重なり収益が悪化した際、メニュー戦略を従来のアラカルト中心からコースメインへと切り替えました。ディナーのコース注文比率70%を確保することにより、原価コントロールを図っています。
また、ロス削減のために「一物全体食(食材の命を余すところなくいただく)」を徹底。菊芋は皮ごとスライスし、野崎早生も茎や葉の固い部分をソースに活用して歩留まりを高めています。
「予約状況に合わせて仕入れを調整していますが、どうしても余りが出た際はお客さまにお土産としてお渡しします。無駄が出ないだけでなく、リピート率の向上にもつながるのです」と古森さんは話します。
ボリューム満点ながら「たくさん食べても翌日の身体が軽い」と評判のコースメニュー。飽食の現代だからこそ、罪悪感を抱かせないヘルシーな野菜の価値が、多くのファンを惹きつける理由なのでしょう。
『WE ARE THE FARM』
が教える野菜レシピ
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ロメインレタスの
しゃぶしゃぶ材料(1人分・小鉢サイズ)
- ロメインレタス 3枚
- 豚肉 50g
- 香味だれ 大さじ1.5
<香味だれの作りやすい分量>
- みょうが 1パック
- 大葉 20枚
- 野菜がうまい! やみつきになる旨たれ 100cc
作り方
- ①みょうがと大葉をみじん切りにして、野菜がうまい! やみつきになる旨たれと合わせ香味だれをつくる。
- ②さっと茹でた豚肉とロメインレタスに①をかける。
作り方
- ①みょうがと大葉をみじん切りにして、野菜がうまい! やみつきになる旨たれと合わせ香味だれをつくる。
- ②さっと茹でた豚肉とロメインレタスに①をかける。
(ポイント)
完成された味わいの野菜がうまい! やみつきになる旨たれに、みじん切りにした香味野菜をプラスし、あえて“味のバランスを崩す”のがポイント。これにより、素材の香りがグッと際立ち、食べ応えのある「食べるたれ」へと生まれ変わります。
香味野菜はパクチー、セロリ、菜の花などもおすすめ。
湯通ししたロメインレタスと豚肉にはもちろん、蒸し鶏や冷ややっこにも相性抜群です。 -
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ワイルドトスカーナ
ズッキーニのステーキ材料 (1人前)
- ズッキーニ(ワイルドトスカーナ) 1/4本
- オニオンソース 10g
<オニオンソースの作りやすい分量>
- 玉ねぎ 1玉
- チルドドレッシング シェフズオニオン 大さじ4
作り方
- ①玉ねぎをみじん切りにして、飴色になるまでじっくり炒める。
- ②飴色玉ねぎとチルドドレッシング シェフズオニオンを合わせオニオンソースを作る。
- ③ソテーしたズッキーニに②をかける。
作り方
- ①玉ねぎをみじん切りにして、飴色になるまでじっくり炒める。
- ②飴色玉ねぎとチルドドレッシング シェフズオニオンを合わせオニオンソースを作る。
- ③ソテーしたズッキーニに②をかける。
(ポイント)
旨み、酸味、風味のバランスが良いドレッシングに、炒め玉ねぎを加え、よりコク深く濃厚な味わいのソースに仕立てました。
合わせる野菜は、イタリア由来の固定種であるズッキーニ「ワイルドトスカーナ」。肉厚で加熱すると甘みが引き立つ特性に、この特製ソースが絶妙にマッチします。 -
企画協力:株式会社柴田書店
2026/07/29時点











