看板メニューがもたらす効果|
飲食店のこだわりを利益に繋げるには

繁盛店と呼ばれるお店のほとんどが、看板メニューを持っています。看板メニューを持つことにより生まれる効果は何なのか、繁盛店の看板メニューはいかにして生み出されるのかについてご紹介します。

看板メニューの必要性からメニュー開発まで、こちらのアイディアをぜひ参考にしてみてください。

繁盛店に看板メニューが欠かせない理由

「あのお店の〇〇を食べに行こう」そう言って、お客様が自分のお店に足を運んでくれたら嬉しくありませんか。来店の一番の目的がお店の看板メニューにあるのなら、立地が多少悪くても、周りにライバル店がたくさんあっても、何も恐れることはありません。確実なファンがつき、リピーターとして足繁く通ってくれることでしょう。

では逆に看板メニューが無いお店はどうなるか、想像してみてください。

乗降車数の多い駅の目の前にあるお店や、その街で唯一の飲食店なら、おそらくはお店を続けていくことができるかもしれません。しかし、同じようなタイプの飲食店が乱立したら、お客様はいつまで自分のお店に通ってくれるか、正直なところわかりません。

大切なことは他店との「差別化」です。味、盛り付け、接客、サービス、お店の雰囲気などが挙げられます。それぞれのお店のウリを活かした看板メニューを持つことは、効果的な集客に、そしてお店の利益を上げることに繋がると考えられます。

利益を生む効果的な看板メニューの作り方

看板メニューの作り方には、大きく2つの方法があります。既存のメニューをブラッシュアップして看板メニューに育てる方法と、世間のトレンドをつかんで新規メニューを開発する方法です。

いずれにしても、まず自店は何屋なのか、何を売るお店なのかを、改めて見直すことが必要になります。食事がメインの定食屋、ワインの品揃えが豊富なビストロ、素晴らしい技術を持ったバーテンダーのいるバー、おしゃれな雰囲気のレストランなど、どれに当てはまるでしょうか。

それぞれお店にはイメージというものがあり、そのイメージにそぐわないものを看板メニューにするわけにはいきません。そこで、お店に適した主力の商品カテゴリーの中から、「売りたい」ものを絞ります。

この場合「売りたい」とは、個人的な感情論ではなく、売れることにより効果的にお店に利益をもたらすものと言う意味です。

例えば、

  • 原価率が安く利幅が大きいもの
  • 単価が高く売り上げに繋がるもの
  • オペレーションが簡単でスピーディーに提供できるもの

などなど、これらはほんの一例ですが、しっかりと考慮しながら売りたいメニューの方向性を決めていきます。

看板も看板メニューもお店の顔

看板メニューの方向性が決まったら、次はどのように売っていくか考えてみましょう。

先ほどの売りたいメニューは、あくまでお店側にとっての都合でしかありません。そのため、お客様に押しつけにならないように気を付ける必要があります。どうしたら、お客様に自発的に選んでもらえるか、選んでもらったものを喜んでもらい、今後のリピートに繋げていけるかをチェックしてみましょう。お客様の満足度を高めることは、看板メニューにとって大切なことだと考えられます。

そのために、満足度を高めるためのいくつかのポイントを挙げます。

まずは味の魅力です。
飲食店である以上、美味しいことは当たり前です。他店とは違う、ずば抜けた印象を与える特徴的な味を作ることができればベストかもしれません。しかし、奇をてらっても仕方ないので、万人受けも考慮した「きちんと美味しい」を目指すべきでしょう。

味が美味しければ、次は盛り付けを見てみましょう。SNSが当たり前のこのご時世、スマホで写真を撮りたくなるような盛り付けも大切ではないでしょうか。簡単な写真投稿が人気のSNSで料理の写真を拡散してもらえるような、「盛り上がる」盛り付けを意識します。

それは料理自体の盛り付けもさることながら、お皿や器のこだわりや、お客様の前で料理を仕上げ、シズル感を演出するなど、やり方は色々あります。お店にあった見せ方を工夫してみて下さい。

そして、ネーミングも個性を出すチャンスです。お店側の思いや狙いやこだわりを、ネーミングやメニューブック(メニュー表)に込めるだけで、特別感を出しやすくなるでしょう。

興味をそそるネーミングにし、売りたいメニューの美味しそうな写真も大きく掲載します。こだわりや、おすすめのポイントなどのコメントも載せると良いです。デザインもお店の雰囲気にあったものにし、統一感をだして、当店の一押しであることをお客様に伝えましょう。

また、逆に看板メニューの写真をあえて載せない、という面白い例もあります。ひたすらに文字のみの説明を羅列し、お客様の興味を誘います。どんな料理か気になったお客様がスタッフに声をかけ、注文に繋げるという手法です。

このように自店にあったやり方を模索し、お店にとっても、お客様にとっても、メリットのある看板メニューを作り上げましょう。


まとめ

お店に食事に行くときは明確な目的意識を持ってお店に向かうというお客様も少なくないでしょう。食の多様化が進み、お客様が飲食店を選ぶ理由も様々なものになっている中で、自店の看板メニューを目指して来店して下さるお客様は、食に対して意識の高いお客様といえます。

食に対してそれなりの意識を持ってお店を訪れるお客様は、飲食店にとって今後に繋がる大事なお客様となることが期待できます。このようなお客様、すなわちファンを増やせるように、他店にはない自分のお店だけの魅力的な看板メニュー作りを心がけましょう。

2017/09/04時点